"HelloWorld"を表示するのに半年かかりました(まつもとゆきひろ氏)

三鷹市で開催された、「Ruby」の まつもとゆきひろ氏のセミナーに参加してきました。

 進化し続けるRuby、その未来について

(タイトルは、後半のクロストークにてまつもと氏の発言より)

前半のセッション

 ●概要 「より早く、速く、強く、広く、そしてより大きく」
  ・Rubyの特長
    生産性、敏捷性、そして楽しさを重視した言語
  ・エンタープライズ領域での利用ニーズと取り組みについて
    YARV、Maglev、ROME/fairy・・・
  ・メジャー企業のRubyに対する取り組み
    Sun Microsystems(JRuby)、Oracle(Oracle Mix)、Microsoft(ironRuby)、@Nifty

  ※技術的な説明は割愛されていたので、キーワードのみ列挙

後半のセッション

 ●クロストーク

"HelloWorld"を表示するのに半年かかりました

 Rubyを開発する過程で、まずHello Worldを表示しようと試みたとき、実際にはString型の定義やふるまいの実装が必要となり、試行錯誤していたら半年が経っていたという話。
 おかげで我々はputs "HelloWorld"でことたりるし、他の言語のような余計な手続きなく簡潔なプログラミングが記述できる恩恵を受けている。


せっかくの機会なので、まつもと氏に「何をもって楽しいと感じるか」を質問してみました。


回答:他のプログラム言語では、自分が思うとおりに動作せずフラストレーションを感じるが、Rubyにはない。例えあったとしても、自らの手で訂正できるため、プログラミングを楽しめる。


そういえば、ある言語の受託開発で楽しいと感じることが減ったな・・・。


しかし、Ruby1.8に限っては、今でも簡潔を求めていくと驚き・発見があって楽しい!

所感

まつもと氏の話はRubyKaigiをはじめ、これまでもセミナーで拝聴する機会がありました。
なぜ、同じ人の話を何回も聞きにいって飽きないか考えると、まつもと氏はRubyKaigiでは技術に関する、SEや自治体向けのセミナーでは「楽しさ」というように、対象にあわせて自然に切替られるところに魅了されているのだと思います。

また、「Rubyは俺のもの」、「Ruby以外の存在は認めない」といったことがなく、他の言語や関係者の良い所を受け入れつつ自分の主張をされ、そして常に自然体で応対されるところが魅力的なんだと再認識しました。


最後に、まつもと氏との距離が近かったのもあります。(ある意味、アリーナ席)


今回も非常に得るものが多いセミナーでした。また機会があれば参加したいと思います。